森由里佳 20年7月12日放送
nakimusi
涼をたのしむ 打ち水
暑い夏、アスファルトからたちのぼる熱気を鎮めるかのように、
優雅に動く柄杓ときらめく水しぶき。
パシャッ、パシャッと小気味いい音を立てて撒かれる”打ち水”は、
客人を茶室に招き入れる前、地面を清めるために行ったという、
茶の湯の文化が起源だそうだ。
家族や道行く人が、すこしでも涼やかに過ごせるように。
人に水がかからぬよう、手際よく打たれるそのきらめきは、
打つ人の心配りをそのまま映し出す。
うだるような暑さでも、心にすうっと涼しい風が吹く。
打ち水の効果は、そんなところにもあるようだ。