田中真輝 20年7月19日放送
Muffet
炎と向き合う時間
幸せとは何か?
人類は常に、それを考え続けてきた。
仏教には「諸行無常」という有名な言葉がある。
すべてのものが、移ろい変わっていき、その形を
とどめない。ならば、ああしたい、こうすれば
よかったなどという一時の欲望や悩みに執着する
ことに、どれほどの意味があるのだろう、と
問いかける言葉である。
煩悩の炎を消し、悟りを開くなどということは、
普通の人間には無理だとしても、胸を焦がす
その炎のゆらめきを少し距離をおいて眺めてみる、
そのとき感じる静けさもまた、ひとつの幸せの
ありかたかもしれない。