礒部建多 20年8月16日放送
Smarteeee
遺体とダンス
今日は、送り盆。
日本のお盆では、先祖が帰ってくるとされているが、
マダガスカルでは、直接遺体を土から掘り起こす。
ファマディハナと呼ばれるその儀式は、数年に一度行われる。
埋葬された遺体を掘り起こし、新しい布で巻き直した後、
ご馳走を頂きながら談笑したり、楽隊の音色に合わせて踊るのだ。
生前と変わらずに愛する者と遺体と、
再会を楽しむのだと言う。
死者は遺体が完全に朽ちるまでは、
地にとどまると考えられており、
それは「第二の生」として見なされる。
今では、ペストの流行に関係するなどの懸念も指摘され、
実施の数こそ減ってはいるが、
その死生観は、人々の中に根付いている。
生と死。
その間にあるものに向き合うことこそ、
人間らしさなのだと思わされる。