山本貴宏 20年8月23日放送
663highland
遮り涼をとる日本
日本の伝統的な家屋には、庇(ひさし)や簾がある。
庇は真夏の高い太陽光を遮るにはうってつけだ。
ただ、庇によっては、西日など低い位置から差し込む太陽光は防げないこともある。
そこで、庇や軒に垂らして日光を遮るとともに、
竹の隙間からの風を呼び込む簾が誕生した。
竹は高級であったため貴族の間で主に流通したが、
霧吹きで水をかければ、風が吹くたびに気化熱で涼しくなったり
網を設置してヘチマやゴーヤなどを育てるグリーンカーテンを作るなどの工夫は
庶民の手に簾が渡ることで生まれたそうな。
物の価値をさらに広げるのは、今も昔も庶民である。