小野麻利江 11年5月14日放送
希望のことば 「ショーシャンクの空に」のアンディ
希望とは、素晴らしいものだ。
たぶん、なによりも素晴らしい。
そして、それは決して、失われることがない・・・
アンディはそう言って、
決して希望を捨てようとしなかった。
冤罪をかけられ、
「終身刑2回」を言い渡されたにもかかわらず。
1994年に公開された映画、
「ショーシャンクの空に」の話である。
劇場公開時の興行収支は
赤字だったにもかかわらず、
この映画が、年を経るごとに
多くのファンを魅了しているのは、
希望を持ち続けたい。
私たちが無意識のうちに抱いているそんな願いを、
圧倒的なカタルシスとともに、
肯定してくれるから、かもしれない。
計算機科学者、アラン・ケイ。
コンピュータがまだ巨大かつ高価なマシンで、
そのため、複数の人間のあいだで「共有」するのが
当たり前だった時代に、
それを「個人ごとに利用する」という環境を構想した
通称「パソコンの父」。
「私たちはこれから、どうなるんだろう?」
そういった、将来に対する
不安や恐れに対しても、
天才的アイデアパーソンである彼が、
ありきたりな回答を、するはずもなく。
未来を予測する最善の方法は、
自らそれを創り出すことである。
こんなあざやかな「解」を
はじき出してしまうのだった。
作家・山本一力の小説には、
一生懸命やっている人は、報われなくちゃね。
そんな、あたたかい眼差しがある。
バブル時代に億単位の借金を抱え、
その返済のために、小説を書いた。
しかし、新人賞を獲ってからも、
編集者にペケを出され続ける日々が続く。
そんな「しんどい」の連続の中で、
ずっと支えにしてきた言葉がある、と彼は言う。
『明日は味方』。
誰の言葉かは分かりませんが、
これは、一生の言葉です。
ひたむきにやっていれば、
必ず明日は、味方になる。