三國菜恵 11年6月12日放送
あの人の師/井上雄彦
漫画家・井上雄彦。
彼の師匠は、あの『シティーハンター』の作者・北条司だった。
20年もの間〆切を守り、
机の上で肉体と精神をつかい果たす姿をずっと見てきた。
『スラムダンク』がヒットして
師匠にほめられたときのことを、彼はこう語る。
職人に誉められるなんて、とても嬉しかった。
あの人の師/角田光代
小説家、角田光代(かくた・みつよ)には
ちょっと変わった師匠がいる。
それは、プロボクサーの輪島功一(わじま・こういち)さん。
角田さんは、大失恋をきっかけにスポーツジムに入門。
それがたまたま、輪島さんのジムだった。
輪島さんは、
毎日、練習生たちの靴をきれいに並べる。
毎回、気持ちの良いあいさつを返してくれる。
角田さんはその行動に、ひそかに尊敬の念を寄せていた。
彼女が輪島師匠からもらったことばに、こんなものがあるという。
おんなじことを嫌がらずに繰り返しやった人と、やらなかった人とでは、
得られるものがぜんぜん違うんだ。