薄 景子 11年8月7日放送
「夏」のはなし 糸井重里
遊んでばかりいる「夏休みの子ども」が、
人生の理想的な生き方のように思えます。
その夏の終わりの悲しみの味わいも含めてね。
言葉の天才、糸井重里さんは、
たとえの天才だと思う。
ぼやぼやしていると、
人生も、夏休みのようにあっという間。
さあ、遊ばなきゃです。
「夏」のはなし 茨木のり子
茨木のり子さんの若い時代の作品に、
「くだものたち」という詩がある。
杏、葡萄、長十郎梨、蜜柑など、
季節のくだものを描いた
4行ずつのオムニバス。
中でもプラムの詩が好きだ。
夏はプラムを沢山買う
生きているのを確かめるため
負けいくさの思い出のため 1個のプラムが
ルビィより貴かった頃のかなしさのため
彼女は19歳の夏、敗戦を経験する。
その1個のプラムにこめた夏の記憶は、
たぶん本物のプラムより、
いつまでたっても、みずみずしい。