蛭田瑞穂 12年5月19日放送

 
チャンピオンズリーグFINAL①トニー・ブリテン

ヨーロッパチャンピオンズリーグでは試合前に
「チャンピオンズリーグ・アンセム」を流すことが習わしになっている。

スタジアムにアンセムが流れると、それは決戦が始まる合図。
古代ローマのコロッセオに戦士が入場するように、
勇壮な選手たちがピッチにあらわれる。

このアンセムを作曲したのはイギリスの作曲家トニー・ブリテン。
ヘンデルが作曲した「司祭ザドク」のメロディをベースに、
曲をアレンジし、歌詞をつけた。

今シーズンのチャンピオンズリーグの決勝は
ドイツのミュンヘンで今日5月19日に行なわれる。
舞台となるアリアンツアレーナに間もなくアンセムが響き渡る。


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チャンピオンズリーグFINAL②ユルグ・シュタデルマン

ヨーロッパチャンピオンズリーグの優勝トロフィーは、
2つの取っ手が大きな耳のように見えることから
「ビッグイヤー」と呼ばれる。

このトロフィーをデザインしたのは
スイスの職人ユルグ・シュタデルマン。
ヨーロッパ各国の好みを考慮し、この形に仕上げたという。

彼は語る。

 芸術的な傑作とは言えないかもしれない。
 でもヨーロッパのすべてのサッカー選手が
 手にしたいと思うのは確かだと思います。

2012年のチャンピオンズリーグの決勝は今日5月19日、
ドイツのミュンヘンで行なわれる。ビッグイヤーを掲げるのは、
バイエルン・ミュンヘンか、チェルシーか。


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チャンピオンズリーグFINAL③クラレンス・セードルフ

プロサッカー選手にとって、
ヨーロッパチャンピオンズリーグの優勝トロフィーを掲げることは
一生に一度叶えたいと願う、大きな夢。

その夢を4度も叶えてしまった選手がいる。
現在ACミランに所属するオランダ人ミッドフィールダー、
クラレンス・セードルフである。

95年にオランダの名門アヤックスで。
98年にレアル・マドリードで。
2003年と2007年にACミランで。

チャンピオンズリーグの優勝を複数経験した選手は他にもいる。
だが3つの異なるクラブで、というのは史上ただ一人、
セードルフだけである。


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チャンピオンズリーグFINAL④リオネル・メッシ

FCバルセロナに所属するリオネル・メッシは10歳の時、
医師から成長ホルモンの異常による発育不全と診断された。

高額な治療費が足かせとなり、複数のユースチームが獲得を見送る中、
FCバルセロナだけはメッシの将来性を見抜いた。
治療費を全額負担することを約束し、彼をチームに加えた。

その後の治療とトレーニングにより
身長もサッカーの技術も着実に成長したメッシ。

メッシは今シーズン、ヨーロッパチャンピオンズリーグで
ふたつの記録を打ち立てた。ひとつは史上初の1試合5ゴールという記録。
もうひとつは1シーズンの最多得点記録。

メッシは言う。

 まわりより小さかったからこそ、
 すばやく動けてサッカーがうまくなれた。
 最悪な状態でも良い方向に変えられるってことを
 僕は学んだんだ。


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チャンピオンズリーグFINAL⑤アリゴ・サッキ

1980年代に「ゾーンプレス」という戦術を編み出し、
サッカーに革命を起こしたイタリア人監督アリゴ・サッキ。

1989年と1990年にはACミランを率いて
ヨーロッパチャンピオンズリーグの連覇を達成した。

理論家として知られ、サッカーを熟知するサッキだが、
意外なことにプロサッカー選手としての経歴はない。

独学でサッカー理論を学び、少年サッカーのコーチから
キャリアをスタートさせ、やがて世界の頂点まで登り詰めた。

その経歴についてサッキは自らこう語る。

 優れた騎手になるために、馬に生まれる必要はないのです。


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チャンピオンズリーグFINAL⑥ジネディーヌ・ジダン

ペレは言う。

 もしジダンがチームメイトにいたら、
 わたしは2倍の得点を叩き出したかもしれない。

ミシェル・プラティニは言う。

  サッカーの技術に関してはジダンが王様。誰も真似できない。

ジネディーヌ・ジダン。
多くの名選手が口をそろえて史上最高の選手と呼ぶ、
現代サッカーのマエストロ。

2002年のヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝で、
ジダンの決めたボレーシュートは
チャンピオンズリーグ史上もっとも美しいゴールとも言われる。


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チャンピオンズリーグFINAL⑦アレックス・ファーガソン

1999年5月、バルセロナのカンプ・ノウスタジアムで行なわれた
ヨーロッパチャンピオンズリーグの決勝、
マンチェスター・ユナイテッド対バイエルン・ミュンヘン戦。

試合はバイエルン1点リードのまま90分が経過した。
疲労の見える主力をベンチに下げ、勝利を手中に収めつつあるバイエルン。
しかし、ここからドラマが始まる。

ロスタイムに、デビッド・ベッカムのコーナーキックから
マンチェスターが立てつづけに2ゴールを決め、まさかの逆転劇を起こす。

「カンプ・ノウの奇跡」と呼ばれるこの勝利によって、
チャンピオンズリーグを制したマンチェスター・ユナイテッドは、
国内リーグ戦とカップ戦と合わせて三冠を達成した。

この功績により、監督のアレックス・ファーガソンには
エリザベス女王からサーの称号が贈られた。


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チャンピオンズリーグFINAL⑧マルコ・バロッタ

スポーツ選手にとっての最大の敵。それは年齢である。
この難敵と闘って勝った選手は誰ひとりいない。

その意味でヨーロッパチャンピオンズリーグ史上最強の選手は
イタリア人ゴールキーパーのマルコ・バロッタともいえる。

彼が2007年に記録した43歳と168日での出場は
チャンピオンズリーグにおける最年長出場記録。

キャリアの晩年、現役を長く続ける秘訣として彼はこう語っている。

 若い頃は成長するために努力しろと言われた。
 年齢を重ねた今は歳なんだからもっと努力しろと言われるよ。

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