石橋涼子 12年7月8日放送



6. 冒険の話 ソーントン・ワイルダー

冒険をしたいなあと思っているのは、
家にいて何事もないときである。
いざ冒険している時には、家にいたいなあと思う

こう語ったのは、アメリカの劇作家ソーントン・ワイルダー。
派手で社会的な演劇が流行した1930年代のアメリカで、
彼は、平凡な人々の平凡な日常を描き続けた。

しかし、そこでワイルダーが描いているのは、
私たちが平凡だと思っている日常が
いつもそばにあるものではなくて、
今ここにしかないものである、という事実だ。

今ラジオを聴いているあなたの日常も
今ここにしかないのと同様に。

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