茂木彩海 12年9月2日放送



果物のはなし 角田光代と梨

忙しくなると、めっきり果物を食べなくなる。
バナナのように簡単に皮がむけるものはさておき、
りんごや梨など秋の果物は、冷やしたり、切ったり面倒だ。

梨好きの作家、角田光代は、果物は娯楽であると言いきる。
ごはんや野菜と違って食べなくともなんの支障もない。
だからこそ、果物には、毎日の余裕があらわれる。

角田は言う。
「そんなに駆けまわらず、あくせくせず、優雅に梨の皮を剥きたいものです。」


rocky
果物のなはし 吉本ばななとバナナ

新人文学賞選考委員の中村真一郎は、
なによりもその「途方もない筆名」に驚いたという。

吉本ばなな。

学生のころアルバイトをしていた喫茶店でバナナの花を見かけた彼女は、
その姿、形に一目ぼれ。
「あんなに大きくて変なものがこの世にあるなんて、それだけで嬉しい」

ばななのそんな感性に出会いたくて、
今日も誰かが、彼女の本を手に取るのだろう。

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