三島邦彦 12年10月21日放送
Cult Gigolo
おいしいはなし / ループレヒト・シュミット
人生最後の食事には、何を食べたいですか。
ドイツのハンブルグにある「ロイヒトフォイヤー」というホスピス。
入居者たちが人生の最後の時を過ごすこの場所で、
料理長ループレヒト・シュミットは毎日、
その人にとって最後になるかもしれない料理を作っている。
入居者たちからは、記憶の中にあるおいしかったものを頼まれる事が多い。
若い入居者からハンバーガーとフライドポテトを頼まれることもあれば、
「思い出のスープを。」というリクエストも。
本人や家族からその味について詳しく話を聞き、
「この味じゃない」と言われては、何度も試行錯誤を繰り返す。
その料理が複雑でも簡単でも、何度文句を言われようと、
うまく作れるまでとにかくやるんですよ。
後悔するのは全力を尽くせなかったときだけです。
「料理よりも人間としての修業になるといいかな。」そう言って、
ループレヒトは今日も厨房へと向かう。