大友美有紀 12年12月2日放送
tatiana.nyanko
「子どもへの言葉/モーリス・センダック」マックス
モーリス・センダックは「かいじゅうたちのいるところ」の
主人公マックスを、自分が創造したうちで最も勇敢だといい
それゆえに誰よりも愛しているという。
マックスは子どもたちがみなそうであるように、
空想と現実が柔軟に入り交じった世界を信じ、
一方から他方へぴょんと渡ったり、また戻ってきたりする。
ある7歳の男の子がくれた手紙のおかげで、
私は自分の思いが通じたのだと感じた。
それは、こんな手紙だ。
「かいじゅうたちのいるとこへいくのには、
いくらかかりますか?
あんまり高くなかったら、
こんどの夏休みに妹といきたいとおもっています。
すぐにおへんじください」
センダックはその質問には答えなかった。
なぜならこの子たちは遅かれ早かれ、お金など払わずに
自分で行く道を見つけるに違いないから。