名雪祐平 12年12月30日放送
百年前の訃報録 カルブレイス・ロジャース
百年前、その人物が亡くなった。
アメリカ大陸横断飛行に成功した
カルブレイス・ロジャース
出発から30日以内の横断成功には
新聞社からの懸賞金5万ドルが
かけられていた。
しかし、ロジャースは49日間かかってしまった。
その間、17回もの着陸失敗事故により、
部品の修理を繰り返した。
交換した主翼は18枚、脚そり20本、エンジン2台。
ゴールの西海岸に着いた時、
残っていたオリジナルの部品はわずか2点だけだった。
それだけ墜落しても生還した
不死身のロジャース。
人気者となり、
スポンサーの飲料メーカーが奮発したおかげで、
懸賞金に2万ドル上乗せした賞金7万ドルを手にした。
名声も富も得たロジャースが
墜落事故で死亡したのは
そのわずか5カ月後のこと。
原因は、部品の故障ではなかった。
一羽のアヒルと衝突し、
真っ逆さまに墜落したのだった。