村山覚 13年1月13日放送
藤子不二雄の20歳
1944年、富山県の小学校に一人の転校生がやってきた。
少年の名前は「あびこもとお」。趣味は漫画。
すぐに友達ができた。同じく漫画が大好きな「ふじもとひろし」。
二人は漫画を描きまくった。
二人で描いた4コマ漫画が新聞に掲載されたこともあった。
しかし高校を卒業するとき、
漫画家になるという夢をいちど諦めた。
安孫子は富山新聞社に、藤本はお菓子メーカーに就職。
安孫子は新聞社でイラストを描いたり、インタビューをしたり、
充実した日々を送っていた。
一方、藤本はすぐに会社を辞めた。
漫画を描いては出版社に投稿する日々。
ある日、安孫子のところに藤本が来て言った。
「一緒に東京へ出よう。」
後に日本を代表する漫画家となる「藤子不二雄」は
夜行列車に揺られて上京した。二人とも20歳だった。
藤子・F・不二雄は、自叙伝でこう語っている。
「面白いマンガを描きたいと思いつづけています。
夢に終わるかもしれないけれど、
その夢が僕らを支えているのです」
20歳の夢は、ずっとあなたを支えてくれる。
明日は成人の日。