石橋涼子 13年1月20日放送
夢のはなし ウィンザー・マッケイの夢の国
100年以上昔のアメリカの新聞に、
毎回、夢オチで終わるマンガが連載されていた。
ウィンザー・マッケイによる、
「夢の国のリトル・ニモ」という
新聞1ページのマンガだ。
ストーリーは毎回同じ構成。
ニモ少年が夢を見るところから始まり、
夢の国を冒険し、
最後にベッドから落ちて目が覚める。
それにも関わらず連載は10年以上続いたし、
今も根強いファンがいる。
それは、リトル・ニモが毎回冒険する
夢の世界のビジュアルが素晴らしかったからだ。
大きな鳥にくわえられて見下ろす夜の街。
ニューヨークの摩天楼、真夜中の海、巨大なキノコ。
リトル・ニモの夢の世界は、
誰もが見覚えのある、僕の、私の、夢の世界だった。
夢の世界で困ったときに思わず叫ぶ
「おうちに帰りたいよ、おかあさん」
というセリフは、
100年以上経った今も変わらず、
大人の胸をくすぐっている。