佐藤理人 13年3月9日放送
アーリーロケットメン②「セレービ」
キリストに会いに行って参ります。
男はそう言って空へ飛び立った。
17世紀のオスマン・トルコ。
王の娘の誕生パーティを、
大型花火による人間飛行で盛り上げることになった。
そこに名乗りをあげたのが国一番の技術者、
ラガーリ・ハッサン・セレービだった。
7枚の翼と1.2トンの火薬を乗せたロケットは、
トプカピ宮殿の屋根から
ボスポラス海峡に向かって約300メートル飛んだ。
落下するかに見えた瞬間、セレービは見事な翼さばきで、
無事、王の待つ宮殿の庭に着陸。
群衆の歓声を浴びながら、王に言った。
陛下、キリスト様からよろしくとのことでした。