石橋涼子 13年3月10日放送
出発のはなし5 広岡浅子の推進力
大阪屈指の両替商、加島屋の若旦那の花嫁は、
京都の豪商三井家のお嬢さんだった。
広岡浅子、17歳。
世が世なら、坊ちゃん育ちの夫と一緒に
おかみさんとして優雅に暮らしたのかもしれない。
しかし、時は明治維新まっただなか。
幕末の混乱とともに両替商は軒並み倒産した時代だ。
数字に強く、時代を読む能力にもたけ、
なによりも負けず嫌いな浅子は、
のんびり屋の夫に代わり店を切り盛りした。
借金を踏み倒そうとする大名や武家には
武士道を説いて諭し、
事業拡大した炭鉱経営では護身用のピストル二丁を手に
荒くれ男たちと寝食をともにしたという。
歴史の中で潰れる運命にあった加島屋は、
浅子によって銀行・商社・保険業まで手がける
大企業へと成長した。
波乱の時代に臆することなく前進し続けた彼女の、
出発に対する持論。
何でも初めから無理と思うたら、
結果もそのようになります。
無理でも目的を立てて、どないしたら完遂でけるか、
焦点を絞っていくことが大切どす。