澁江俊一 13年3月24日放送
別れと砂漠
アメリカ美術界で
はじめて脚光を浴びた女性
ジョージア・オキーフ。
しかし大恐慌の時代。
ルールに縛られず、自由な絵を描くオキーフに、
世の中は寛容ではなかった。
華やかさと誤解に満ちた
ニューヨークの生活に別れを告げ
彼女が暮らし始めた土地は
ニューメキシコ州サンタフェ。
砂漠と荒地。そして崖。
どこまでも青い空と焼けつく陽射し。
人々にとって何もないその場所には、
彼女にとって、すべてがあった。
美しい花の絵を好んだオキーフは
砂漠に落ちている動物の頭蓋骨も
繰り返しモチーフにした。
花と、骨。
彼女はまるで同じものみたいに
どちらも生き生きと描くのだった。