大友美有紀 13年4月7日放送
「自由律俳句・尾崎放哉」即物的
入れものがない両手で受ける
放哉の句は、即物的で客観的だ。
ひとりよがりや自己陶酔を嫌い、
感情や抽象的な表現を削り落とした。
理屈も嫌い、ぐずぐずしたことも嫌い。
自分がいかに大胆で、きっぱりした性格かを
友人、知人に表明している。
あらしがすっかり青空にしてしまった
すたすた行く旅人らしく晩の店をしまう
削ぎ落としたからこそ、
「すっかり」「すたすた」に放哉の感情が表れる。
ツイッターやフェイスブックでのコミュニケーションに
慣れ始めた私たちも、簡潔にして、なお、心を伝える、
放哉の表現に学ぶところがあるだろう。