大友美有紀 13年4月7日放送
きんちゃん
「自由律俳句・尾崎放哉」山と海
分け入っても分け入っても青い山
種田山頭火、尾崎放哉と並び称される自由律俳句の詩人。
山頭火の山好きに対して、放哉は海が好きだった。
何か求むる心海へ放つ
海は慈母のように自分をあたたかく包んでくれる。
海を見ていると心が休まると言う。
山頭火が自らを追い込むように放浪に出たのに対し、
放哉は束縛から逃れ、自由と孤独と安住の地を求め彷徨った。
晩年、彼が移り住んだ庵は、全て海のそばだった。
障子あけて置く海も暮れ来る
放哉は、山頭火より3歳年下であったが、
14年も早く亡くなっている。
放哉へのオマージュともいえる、
山頭火の句がある。
鴉(からす)啼いてわたしも一人
孤独の魂は、孤独を惹き付ける。