佐藤理人 13年4月13日放送



ブリア・サヴァラン⑤「食卓の快楽」

 食卓こそは人がその初めから
 決して退屈しない唯一の場所である。

18世紀フランスの美食家ブリア・サヴァランは、
著書「美味礼讃」の中でそう述べた。

食べる喜びは動物でも味わうことができる。
しかし食卓の快楽は人間だけが味わえる喜びで、
場所やゲストなど様々な要因に左右される。

中でもゲストの選択には
細心の注意を払わなければならない。
彼は言う。

 会食者はいずれも
 いっしょに同一の目的地に着くべき
 旅人同士の心持でなければならない。

 悲しい顔をした者が混じっていては
 到底食卓の快楽は味わえない。

何を食べるかより
誰と食べるかの方が、
ずっと大切なんですね。

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