薄景子 13年5月19日放送
山の旅人
緑のはなし 光野桃
女性の人生哲学を描くエッセイスト、光野桃。
かつての座右の銘は「努力」。
1ヵ月に30本もの締め切りを抱える日々に、
心も体も疲れ果て、
すべての仕事を捨て、何の計画もないまま
夫のいるバーレーンへ旅立った。
そんな光野の再出発は、帰国後、
母親の介護をのりこえた後のこと。
介護疲れのリハビリを兼ねて行った山で、
木々の緑や空のありのままの美しさに気づかされる。
もう成長しなくてもいい。自分は自分のままでいいのだと。
以来、著書やイベントで
読者を森へといざなうようになった光野は言う。
人生の目的は 誰かに認められることでも
何かを生みだすことでもなく
今この時を愛し慈しむということ。