佐藤延夫 13年6月1日放送
写真の日/南方熊楠
博物学者、生物学者、民俗学者。
南方熊楠には、肩書きが多い。
それもそのはず、彼は、いわゆる天才で
本を読むだけで中身がすべて覚えられた。
この特殊な能力を、写真記憶というそうだ。
熊楠さん、実際の写真のほうもお好きだったようで、
たくさんの紙焼きを残していた。
アメリカ留学の前に撮影した一枚は、
ちょっと気取ってコートを羽織り、
フロリダの写真館では、紋付袴でカメラの前に立った。
日本に帰国してからも、故郷で、旅先で、
家族や仲間と、たくさんの写真を撮っていた。
写真記憶という頭の中の画像とは違い、
思い出の写真なら、いつまでもみんなの心に残り続ける。
今日は写真の日。
たまには昔のアルバムでも、めくってみませんか。