三國菜恵 13年6月15日放送
Paul McAlpine
その男、チェ・ゲバラ
革命家でもあり、医師でもあったチェ・ゲバラ。
彼には、とりわけ気にかけていた患者がいた。
マリーア婆さん、というぜんそく持ちの患者。
昼夜を問わず彼女のために病院へ駆けつけ、
その熱心さは、妻も首をかしげるほどだった。
なぜそんなにもゲバラは彼女を放っておけなかったのか。
その生涯をひも解くと、見えてくる。
マリーア婆さんは
生涯、洗濯屋として働き、
たった一人の娘と、孫を数人だけをのこして
貧しくこの世を去ろうとしている人だった。
彼女の姿はゲバラの目に、
最も忘れられ、最も搾取された階級の
生きる証人のように映っていた。
彼女の死を経て、ゲバラは世界を変えようと奮起する。
生涯君の希望を裏切り続けたひどい神様には祈らないでいい。
君の孫たちは皆幸せに生きることを、
僕は約束します。