佐藤延夫 13年8月3日放送
あの場所へ ヘミングウェイ
キューバの首都、ハバナ。
そこから東へ10キロほどにある、
コヒマルという小さな漁村は、
小説「老人と海」の舞台になった場所だ。
実はヘミングウェイ自身、
釣り船が遭難しかけた際に助けられたのが、
コヒマルの近くだったという。
そして、そのときに出会った漁師を、
「老人と海」に登場する男のモデルにしている。
釣れないときは、魚が考える時間を与えてくれたと思えばいい。
これは、ヘミングウェイの言葉だ。
晩年になると彼は、恩人の漁師を引き連れて、
コヒマルの沖で釣りを楽しんだそうだ。
何度訪れても、歓迎してくれる。
そんな場所が、心のふるさと。