大友美有紀 13年8月4日放送


ichigami
「夏の職人」四代目氷屋徳二郎 山本雄一郎

口に入れると、すっと溶けてなくなる。
フワフワのかき氷。
冷蔵庫の氷では、この食感はつくれない。
天然のだからこその食べ心地。
自然の寒さで凍った氷は、ほんのりと甘い。

かつて日光では、製氷業が盛んだった。
今ではわずかしか残っていない。
そのうちの一軒の氷屋徳二郎も
先代が高齢のため2006年に
製造を打ち切ろうとしていた。
しかし、日光の文化を残したいと強く思った
山本雄一郎は、引き継ぎたいと申し出た。
先代は振り返る。

 この仕事はとても無理だから、やめたほうがいいと断った。
 でも、継がせた。しつこかったからね。

天然の氷には線が入る。
夜から朝にかけて凍ったしるし。
次の線ができるのは、
また次の夜から朝にかけて凍ってからだ。

一晩かけてじっくりと凍る。
山本のしつこさに近い。

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