佐藤理人 13年8月10日放送
ルーブル美術館⑥「美術館学」
戦争で略奪するだけが、
美術品の入手方法ではない。
19世紀から20世紀にかけて、
ルーブル美術館はその作品数を
爆発的に増やした。
その多くが寄贈品だったことは、
ルーブルが真に
民衆のための美術館だった証である。
所蔵品の増加に伴い、
美術館学
が生まれた。
それまで所狭しと並べられていた作品は
年代・地域・流派ごとに分類し直された。
国民に正しい美術教育を施すことも
美術館の使命である、
と考えられるようになったのだ。
作品を解説する鑑賞ツアーが組まれ、
日曜には家族連れで賑わった。
そこにはフランス革命が掲げた
自由と平等
の精神が確かに生きていた。