中村直史 13年9月8日放送


kimama_labo
変えようとする人たち 杤迫篤昌

アメリカの移民をとりまく現状を変えたい。
杤迫篤昌(とちさこあつまさ)さんの切実さの裏には、苦い思い出があった。

若いころ、メキシコの友人宅に食事に招かれた。
帰り際、その家の子どもがいった。
「つぎはいつくるの?来てくれたおかげで、半年ぶりのお肉が食べられたから」
杤迫さんは答えた。
「あれ、肉なんかあったっけ?」
スープに浮かんだ小さな肉のかけらに気づいていなかった。

たったそれだけのやりとりが、何十年も気になっていた。

50歳で、長く勤めた銀行を退職。
「マイクロファイナンス・インターナショナル」をたちあげた。
アメリカの移民労働者が、
格安の手数料で本国へ送金できるようにした、
はじめての金融会社だった。

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