古居利康 13年9月28日放送
Toshiro Aoki
その後の堀越二郎 ⑤
1962年、戦後初めての国産旅客機、
「YS-11」が日本の空を飛んだ。
堀越二郎ら設計陣は基礎設計を担当。
実機製作は若い技術者たちに委ねられた。
YS-11は、ただの飛行機ではなかった。
戦後、航空禁止令によって
世界の流れに致命的な遅れをとった
日本の航空機技術を再建し、
10年以上の空白を取り戻すための
一大プロジェクトであり、
かつて軍用機の開発に携わり、
戦争遂行の一端を担った
旧航空機メーカーの技術者と、
戦争のない時代の若い技術者をつなぐ、
空飛ぶ架け橋でもあったのだ。