小林慎一 13年11月9日放送
女の話 グーデンホフ光子
日本で初めて国際結婚をした、グーデンホフ光子。
夫である、オーストラリア・ハンガリー帝国の外交官
ハインリッヒ・グーデンホフ伯爵は、東京、横浜に住む
ヨーロッパ人にこう宣言した。
「わが妻をヨーロッパ人女性と同等に扱わないものには、
誰とでも決闘をいどむ」
しかし、光子の優美さと品のある作法に、みな魅了され、
決闘がおこるようなことはなかったという。
7人の子宝に恵まれた光子は、
領地であるボヘミア地方で子育てをした。
小学校しか出ていない光子は、
ヨーロッパ人の母親が持つ教養を身につけようと必死に勉強し
その姿を見て子供たちは成長した。
次男のリヒャルトは、
「ひとつのヨーロッパ、パン・ヨーロッパ」を唱え
ヨーロッパ統一に向け大きな思想的な影響を及ぼした。
日本の美徳を常に忘れず最高の母親になろうとした光子は、
EUの母を育てたのだ。