三島邦彦 13年11月16日放送
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カメラの裏には 畠山直哉
ドイツのルール工業地帯の一角にアーレンという町がある。
産業の中心であった炭鉱が閉鎖して活気を失ったこの町で
炭鉱施設の一部取り壊しが決まった時、
一人の写真家が日本から呼ばれた。
写真家の名前は畠山直哉。
壊されてしまう前の姿を記録しておきたいという願いを受けた畠山。
未来の人々が懐かしむための写真を撮りながら、
彼の頭に一つの考えが浮かんだ。
いっそ「記録」は過去ではなく、未来に属していると考えたらどうだろう。
そう考えなければ、シャッターを切る指先に
いつも希望が込められてしまうことの理由が分からなくなる。
そして私たちは
記録には未来の視点が必要なことに気づくのだ。