道山智之 14年6月21日放送
バート・バカラック2
作曲家、バート・バカラック。
彼は学生時代、作曲家ダリウス・ミヨーのクラスにいた。
他の生徒たちが、複雑で抽象的な曲を披露する中、
バートは自分の書く甘いメロディを引け目に感じていた。
演奏を聞き終わると、ミヨーは言った。
「口笛で吹けるメロディを書いたからと言って、
恥じる必要はまったくない」
「記憶に残るメロディをつくれる人間はめったにいない。
そしてそれは本質的な才能なのだ」
バートは、一生の教訓を与えてもらった、と語っている。
若き作曲家志望の学生にかけたひとことが、
その後の音楽史をぬりかえることになった瞬間だった。