道山智之 14年6月21日放送
realjv
バート・バカラック3
作曲家、バート・バカラック。
彼は語る。
「自分の書いた曲を、自分で守ろう、と思うようになってから
何かが変わった。
プロデューサーでなく、編曲者だったとしても、
スタジオに行ってやってしまう。
プロデューサーのクレジットはほかの人の名前でもかまわない。
曲を、守ることに興味があったんだ」
名曲「アルフィー」の録音で、
バートは大スター、シラ・ブラックに激しいボーカルを求めた。
テイク数は28にも及んだ。
「もっとうまくやれるんじゃないか?もう1回やってくれないか?」
そんなバートに、
プロデューサーのジョージ・マーティンがしびれをきらした。
「バート、キミはいったい何をほしがってるんだ?」
バートは答えた。
「ちょっとした魔法ですよ」
テイク数の多さに、シラは腹を立てていたが、
それが、がむしゃらな歌を生み、時をこえて心にのこるものとなった。