大友美有紀 14年7月6日放送
torumiwa
「サンダルの季節」 ビーサン屋・げんべい
まるに「げ」のひらがな。
ビーチサンダル専門店「げんべい」のマークだ。
葉山の、商店街もない、国道からも遠い、
電車の駅からはバスで20分もかかる。
そんな場所に「げんべい」の店舗はある。
創業は江戸末期、足袋や手甲、脚絆をつくる職人の店だった。
現在の店主は中島広行。
げんべいの跡継ぎ娘と結婚して五代目となった。
継いだ当初、店はいわゆる「万屋」だった。
紳士・婦人物の肌着、靴下、ストッキングなどを扱っていた。
げんべいで買いものをするのは恥ずかしい、と言った声も聞いた。
3年間頑張っても売上げは落ちるばかりだった。
ええい!どうせ落ち込むのなら、
自分で考えて好きなことをやってやる!
足袋の店からはじまった「げんべい」は、戦後の物不足の時、
ビーチサンダルにこだわりを持っていた。
その原点に立ち戻ったのだ。
豊富な色数、やわらかい天然ゴムを使った鼻緒、
疲れにくい、くさび形のソール。
そのこだわりを貫き、ビーチサンダル専門店という、
他にはない店を作り上げたのだ。