佐藤理人 14年7月13日放送
絵と服と男たち⑧「シュナールの長ズボン」
今、私たちが着ているのは革命家の服である。
1789年のフランス革命。その中心となったのが、
サン・キュロット
と呼ばれる貧しい一般大衆だ。
『サン・キュロットの扮装をした歌手シュナール』
という絵を見ると、彼らの服が今とかなり近いことがわかる。
サン・キュロットとは
半ズボンを履かない人
の意味。半ズボンで脚線美を見せびらかした貴族たちが、
庶民をバカにしてつけたあだ名だ。
不公平な身分制度に対する反抗の意味を込めて、
人々は長ズボンと踵の低い靴を履き続けた。
果たして数百年後、
ズボンの長さが逆転する日は来るのだろうか。