佐藤理人 14年7月13日放送
絵と服と男たち⑥「エドワード7世のセーラー服」
一枚の絵がきっかけで、
世界中で大流行した服がある。
セーラー服を着て甲板に立つ
5歳のエドワード7世。
1846年にヴィンターハルターが描いた
この絵のあまりの愛くるしさに、
セーラー服は上流階級から庶民まで
全ての男子のトレンドになった。
やがてイギリス海軍が制服として採用。
慌てて他国が右へ倣うと、
今度は女子のハートをわしづかみ。
ついには大人まで夢中になった。
その勢いは留まるところを知らず、
ファッション雑誌が、
セーラー服姿の老若男女で
世界中の浜辺が埋まっている
とあきれたほど。
波に飲まれたとき脱ぎやすいという理由で
水夫たちが着始めたセーラー服は、
文字通り7つの海を股にかけた。