古居利康 14年7月19日放送
readysubjects
ヘムレンさんのはなし ③
ムーミントロールのおはなしにでてくる
ヘムレンさん。
『ムーミン谷の仲間たち』に登場する
静かなのが好きなヘムレンさんは、
とにかく音のでるものがきらいで、
遊園地につとめているのに、
笛や太鼓やオルガン、それに、
こどものことがあまり好きではない。
いや、こどもがきらいなわけではない。
わけもなくわらい、泣き、大声をだす。
あたりかまわず歌をうたい、ところかまわず
駆けまわって、いっときも静かにしていない。
こどもたちのだす、そんな音がきらいなのだ。
「あの気の毒な甥は、
もともとすこし変わりものだったよ」
と、ヘムル族の叔父にも理解されない。
あるとき、大雨が8週間ふりつづき、
川があふれて洪水になって、
観覧車も、メリーゴーランドも、
ぜんぶ流されてしまう。
遊園地はあとかたもなくなって、
ヘムレンさんは仕事をなくしてしまう。