佐藤理人 14年11月15日放送

141115-03

007の作り方③「ソ連」

冷戦はすぐに終わる

「007」の脚本を書き始めた1959年、
原作者イアン・フレミングは、
諜報員だった自分の経験からそう考えた。

ジェームズ・ボンドの敵役として彼は
いかなる国家にも属さない
架空の秘密組織「スペクター」を作った。

しかし映画が公開された60年代、
冷戦はさらに激化。
ソ連が敵になるのに時間はかからなかった。

その最大の敵の崩壊から約四半世紀。
中東のテロリスト、南米の麻薬王、北朝鮮、
かつての仲間などさまざまな脅威が
ボンドの前に現れた。

冷酷で邪悪な手強い相手は何人もいた。
しかしイデオロギーという鎖に縛られた
悲しい敵はもうどこにもいない。

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