佐藤理人 14年11月15日放送
007の作り方④「ムーア」
007にならないか
1971年、ロジャー・ムーアの元に
3代目ジェームズ・ボンド役のオファーが来た。
2代目ボンド、ジョージ・レーゼンビーは一作で降板。
ショーン・コネリーの代役は
誰にも務まらないように思われた。
だが彼は受けた。
ローレンス・オリビエの後に
ハムレットを演じた俳優のことを思えば
大したことじゃない
役作りのヒントを彼は原作に求めた。
ボンドは殺しが好きではなかった
これだ。コネリーのボンドは冷酷な殺しのプロ。
なら自分は上品で優しいボンドになろう。
持ち前のルックスとユーモアを生かした
この作戦は大成功。
彼は歴代最多の7作で主演を務めた。
007の武器はたくさんある。
しかし彼を演じる俳優の武器は一つしかない。
ムーア曰く、それは
自分の個性
だそうだ。