名雪祐平 14年11月29日放送
Guillaume P. Boppe
アッシュとマッケンロー
1981年、デビス・カップ
男子テニス決勝。
アメリカチームの監督はアーサー・アッシュ。
勤勉な態度で尊敬される紳士。
チームのエースは悪童ジョン・マッケンロー。
わがまま放題の天才プレイヤー。
予想通り、二人は激しく対立した。
決勝戦で、審判や相手プレイヤーを侮辱し
国の代表としての誇りを汚すマッケンローに
アッシュは厳しく告げた。
つぎも同じことをやったら
わがアメリカチームは棄権する、と。
マッケンローは冷静になりゲームに勝ち、
アメリカを優勝に導いた。
アッシュは感じたことがあった。
自分のなかにもマッケンローと
同じような性格がある。
私には抑えることしかできない感情を
彼が形に表してくれている。
そう気づいたとき、マッケンローへの怒りは消え、
あたたかい敬愛に変わっていた。