佐藤理人 14年12月27日放送
カルティエ・デザイン④「チプロと釘と貞操帯」
新しいのに普遍的。シンプルなのに華やか。
フランスの高級ブランド、カルティエのデザインが
いつまでも古びない秘訣は、
時空を超えた美学
にある。
1970年代、ニューヨーク。
夜な夜なディスコで催されるパーティには
もっとインパクトのあるアクセサリーが必要だ。
カルティエニューヨークのデザイナー、
アルド・チプロは考えた。
彼は釘や貞操帯などメッセージ性の強いアイテムを
敢えてデザインのモチーフに選んだ。
王たちの宝石商であり、宝石商の中の王。
かつてイギリス王エドワード7世は
カルティエをそう評した。
それから100年後のアメリカで、
カルティエの進歩的なデザインに
まっ先に飛びついたのは、
ウォーホールやカポーティなど、
夜遊びの帝王たちだった。