五島のはなし(25)
五島の実家に帰っている子どもたちから電話があった。
夏休みはやはり気分が開放されるものなのか
はげしく元気である。
「いま登場ごっこやってんの!」と叫んでいた。
どんな遊びかわからないが、楽しそうではある。
妻と子どもたちは、夏になると速攻で五島に帰る。
今年は子どもの終業式さえほっぽらかして早々と帰った。
横浜にいるとき、子どもらはよく
「五島に帰ろうよ~」と言ってくる。
ふたりとも五島の病院で生まれたし、赤ちゃんのころは大半を五島で過ごしたから
「帰る」は間違いでないのだけれど、
18まで五島で育った僕と違い、ふたりは横浜で育っている。
そのうち「行く」になるんだろうなと想像する。
そのとき、僕がどんな気分になるのかは、ちょっとわからない。
いまのうちに五島は「帰るところである」と
激しくすり込みを行うべきかもしれません。