三島邦彦 15年1月18日放送
santiagodn
はじまりの言葉 安田登(やすだのぼる)
新しい年のはじまりとともに、
何かを決意する人は多い。
しかし、そうした思いのほとんどは、
日常に押し流され、
どこか遠くへ消えていく。
能楽師、世阿弥が語った
「初心、忘るべからず」という言葉。
その意味について、
古代文字の研究者でもある能楽師、安田登はこう語る。
初心の「初」の字は「衣」と「刀」です。
着物をつくるときに、
布地に最初にはさみを入れること、それが「初」です。
着物をつくるときには、それがどんなに美しい生地であっても、
そこにはさみを入れなければつくれない。
世阿弥が語った、初心。
その言葉にはもともと、
自らの過去に切れ目を入れ、変化を起こす強い心や、
過去と決別する、変化への切実な思いがこめられていた。
さあ、あらためて、
今年の初心はいかがですか。