澁江俊一 15年3月8日放送
妖怪千体説
今日は、漫画家水木しげるの誕生日。
いったんもめん、ぬりかべ、砂かけ婆、
子泣き爺、ろくろ首、ぬらりひょん…
あなたは世界中にどれくらいの
妖怪がいると思うだろうか?
漫画家であり、
妖怪研究の第一人者水木しげるによれば、
世界各地の妖怪はほぼ共通していて、
およそ1000体に集約できるらしい。
それを「妖怪千体説」と言う。
確かにドラゴンやトロル、
河童や魔女などは、
世界中のどこの昔話にも出てくる。
「妖怪はできる限り創作すべきではない」
そう語る水木しげるは
アメリカインディアンやアボリジニ、
アフリカのドゴン族など、
世界中の民族を訪ね、スピリチュアルな文化に触れて
妖怪のフィールドワークを行ってきた。
そんな彼が言うのだから、
「妖怪千体説」は説得力が違う。
ある時訪れたマレーシアのジャングルで
自らが描いた「水木しげるの妖怪画集」を持参したら
「知っている」「見たことがある」と
現地の人々が、日本の妖怪に次々と反応したという。
世界中にいる妖怪たちは
異なる文化がつながるヒントを
私たちに、教えようとしているのかもしれない。