佐藤理人 15年4月5日放送
作作家たちの副業⑧ 「トロロープ」
作家アンソニー・トロロープの副業は官僚だった。
郵政省で働くかたわら、
19世紀のイギリスで最も成功した作家となった。
執筆に適した時間は一日3時間
集中力を高めるために
15分できっかり250語書く訓練をした彼は、
自分より時間に厳しい下男が
毎朝5時半に淹れるコーヒーを飲みながら、
出勤前にその日のノルマを書き終えた。
この並外れた勤勉さは
人気作家だった母親の影響である。
彼の母、フランシス・トロロープが
小説を書きはじめたのは53歳。
6人の子供と病気の夫を養うために
お金が必要だったというのがその理由。
彼女は毎朝4時に机の前に座り、
執筆を終えてから朝食の支度をしたという。