東美歩 15年5月30日放送
yuichi.sakuraba
下澤理如③ 研究への熱意
一台の炊飯器を作るために、
下澤理如が炊く米は、
開発の常識を大きく上回る。
その量、3トン。
一家族が、20年以上かけて食べる米を
開発のたびに費やした。
ホームベーカリー開発においても
その姿勢は変わらなかった。
一般には手に入りづらい米粉ではなく、
家庭にある米をそのまま使ってパンをつくる。
自腹で8台のホームベーカリーを購入し、
毎日3度、パンを焼き続けた。
しかも、下澤は、
直接の開発担当ではなかったのだ。
定年を迎えた後は、
食のコンサルタント企業を設立した。
職場は改装した自宅のキッチン。
下澤の経験と知恵は、
小さな台所で、
今なお膨らみつづけている。