坂本弥光 15年6月14日放送
Dick Thomas Johnson
「デザインエンジニア」山中俊治 Suica自動改札機
Suicaの自動改札機。
これも、デザインエンジニア 山中俊治のデザインによるものだ。
いまでは当たり前にある自動改札。
しかし開発段階では、うまく通れない人がほとんどだった。
カードを縦に当てたり、激しく振ったり。
人にするようにカードを機械に見せて通ろうとしたり。
改札はたちまち大渋滞となった。
そんなとき、山中がデザインしたのが「角度」だった。
手を正しく読み取り面に誘導し、立ち止まらせることなく、
でも、通り過ぎてしまわないように。
ICカードを読み込ませる一瞬の「間」をつくらせたのは、
手前側にちょっと起き上がった、傾斜面だった。
13.5度。その絶妙な角度が、
今日も大勢の人々をスムーズに街へと送り出している。