飯國なつき 15年6月21日放送
M-Kou
太陽② 岡本太郎
1970年に開催された大阪万博。
シンボルとして、テーマ館の屋根を突き破って
そびえ立つのはかの有名な「太陽の塔」である。
屋根には、当初、穴を開ける予定はなかった。
ところが、岡本太郎は
「べらぼうなものをつくりたい」と言い出し
どうしても70メートルの高さが必要だと譲らなかった。
その土俗的なデザインは、
万博のテーマである「人類の進歩と調和」というテーマを
否定するためだったともいわれている。
岡本太郎はこんな言葉を残している。
「人類は進歩なんかしていない。
なにが進歩だ。縄文土器の凄さを見ろ。
皆で妥協する調和なんて卑しい」
屋根を突き破り、そびえたった、岡本太郎の魂。
万博から40年以上たつ今でも、
人々の心を揺り動かし続けている。