森由里佳 15年6月21日放送
JulGlouton
太陽④ いのちを燃やす
醜い容姿に生まれたよだかは、
その運命を嘆き、輝く太陽にこう願った。
お日さん、お日さん。
どうぞ私をあなたの所へ連れてって下さい。
灼けて死んでもかまいません。
私のようなみにくいからだでも
灼けるときには小さなひかりを出すでしょう。
宮沢賢治作「よだかの星」の一説だ。
悲しみから逃げるように飛び続けたよだかは、
やがて青白く燃える星になる。
みじめな運命に苛まれ、
虫たちの命を食べるのをやめて死を選んだよだか。
裕福な出自に苛まれ、
家を飛び出し貧民のために生涯をかけた宮沢賢治。
どちらのいのちも
夜空の星のように尊く、儚く、
太陽のように熱く、輝かしい。