大友美有紀 15年7月5日放送
「作家の時間割」オノレ・ド・バルザック
午後6時に軽い夕食をとった後、ベッドに入って寝る。
午前1時に起きて書きもの机の前に座ると7時間ぶっ通しで書く。
午前8時から1時間半仮眠。
午前9時半から4時まで仕事。
19世紀フランスを代表する作家バルザックは、
自分を容赦なく追い込んだ。
大きく膨れ上がった文学的野心と次々に訪れる借金取りと
際限なく飲むコーヒーがそれを後押しした。
私は生きているのではない。
自分自身を、恐ろしいやり方で消耗させている。
だが、どうせ死ぬなら、
仕事で死のうと他のことで死のうと同じだ。
自身を削り、1日1日が、日なたにおいた氷のように溶けていくと感じながら、
90篇あまりにわたる「人間喜劇」を執筆したのだ。